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2023.09.26
【症例】痛みのなかった大きな虫歯に対する歯髄保存療法(VPT)
治療概要
治療内容 | 歯髄保存療法(VPT) |
---|---|
期間 | 1ヶ月 |
治療回数 | 4回 |
費用 | VPT 44,000円(税込) 土台 27,500円(税込) 被せもの 137,500円(税込) |
治療前の状態・主訴
患者様は、特に痛みはなく、歯科検診の際に虫歯を発見しました。左上6の遠心部に大きい虫歯があるため、治療をお勧めしました。
治療詳細
以前の症例(【症例】神経近くまで到達した虫歯に対する歯髄(歯の神経)の保存)でもご説明しましたが、VPT(歯髄保存療法=歯の神経を残す治療)が適応になるには以下のようにいくつかの条件があります。
・強い自発痛がないこと。
・生活反応があること。
・打診痛がないこと。
・う蝕を除去し、断髄後、正常な神経組織が確認できること。
・止血確認ができること。
今回の症例でも上記の条件が達成されていたため、虫歯を取り切った後に条件が整えばVPTを行うことにしました。
虫歯の取り残しが無いように、う蝕検知液を使用して徹底的に虫歯を除去していきます。
そして、虫歯を除去したあとに神経との交通が確認できたため、上記の条件が達成され、VPT処置を行いました。
自発痛等が出なかったため、顕微鏡を用いて支台歯形成の仕上げを行い、被せものが入るスペース(クリアランス)を確認します。
その後、精密な型取りを行うために圧排糸を歯と歯茎の中に入れました。
最も正確な型取りができるシリコン印象材で型取りを行いました。
型取りをしてから被せ物の完成までの期間は、仮歯を装着して完成を待っていただきます。その後、完成したジルコニアクラウンを装着して治療終了となりました。
治療後の様子
患者様は、治療後は痛みが出ることもなく、良好な経過を辿っています。
しかし、数年後に神経が失活してしまったりする可能性がないわけではありません。定期的にメンテナンスに通っていただき、経過を追っていく必要があることを患者様には伝えています。
主な副作用・リスク
・治療後、疼痛が出る可能性があります。
・強い自発痛が発現した場合は抜髄処置となります。
・神経が残せることが確約されている処置ではありません。
・数年した後に神経が失活する可能性もあります。
・自由診療となります。
定期的なメンテナンスで歯を守っていきましょう
VPTの最大の魅力は、神経の大半を残せるという点にあります。
しかし、どんな状況でもこの治療が行える訳ではありません。先ほどもご説明しました通り、適応になる条件の中には『自発痛がないこと』というものがあります。つまり、痛くなってから歯科医院に来院しても遅いということです。
歯医者にネガティブなイメージをお持ちの方も多く、痛くなってから歯医者に行くという方や、もしかするとちょっと痛いだけでは我慢してしまうという方もいらっしゃるかと思います。このように痛みベースで考えてしまうと、保存的な治療というよりは、痛みを取るための治療へと方向は変わってしまいます。結局は、残せたはずの神経や歯を失ってしまう可能性もあります。
とはいえ、皆様にすぐに歯医者さんを好きになっていただくことは難しいかと思います。そのため、渋谷マロン歯科Tokyoではメンテナンスを大切にしています。歯医者さんは虫歯を削ったり、歯を抜いたりするところというイメージから、クリーニングをしてもらうために行く場所、というふうにイメージを変えていただけるように説明させていただいています。現在痛いところや虫歯がある場合は治療が必要ですが、治療が終わった後は、もう虫歯治療にならないようにぜひ一緒にメンテナンスを行っていきましょう。
虫歯の予防やケアについても、当院のスタッフが丁寧にアドバイスいたします。ご相談だけでも構いませんので、ぜひ一度当院にいらしてください。スタッフ一同、心よりお待ちしております。
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