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2025.05.15
差し歯が取れた・ぐらつく原因とは?治療の流れと再発防止策

こんにちは、渋谷マロン歯科Tokyoです。差し歯が取れたり、ぐらついたりすると「また作り直しが必要なのでは?」と心配される方も多いでしょう。しかし、差し歯が取れても再利用できる可能性や、根本的な問題を解決する別の治療法もあります。
今回の記事では、差し歯トラブルの原因から応急処置、治療の流れ、そして繰り返すトラブルに対応する専門的な治療の選択肢まで詳しくご紹介します。
差し歯が取れる・ぐらつく原因とは?
差し歯とは、虫歯や外傷などで歯の大部分が失われた場合に、残った歯根に土台を立て、その上に歯を覆うように被せる人工の歯(クラウン)や被せ物をする治療のことです。
差し歯がぐらついたり取れたりする原因は主に「土台となる歯の問題」と「噛み合わせの問題」に分けられます。
原因を理解することで、差し歯を長持ちさせるための対策が見えてきます。それぞれ詳しくみていきましょう。
歯根の破折
差し歯を支える歯の根が割れると、安定性が失われます。神経を除去する治療をしている歯は、残った歯質が少ないことが多く、強い咬合力や硬い食べ物を噛むことで破折リスクが高まります。歯根が破折すると歯茎に炎症が生じることもあります。歯根が破折すると残念ながら抜歯という選択を余儀なくされることも少なくありません。
虫歯の進行
土台となる歯の虫歯も原因となります。差し歯と歯茎の境目は特に汚れが溜まりやすく、特に神経を除去した歯は痛みを感じにくいため、気づかないうちに虫歯が進行する場合があります。虫歯が進むとぐらつきや差し歯がとれる原因になるため、日々の歯磨きと定期的な検診で虫歯の早期発見を心がけましょう。
差し歯の劣化
差し歯は時間とともに劣化し、取れやすくなる傾向にあります。接着面のセメントの溶解や材質が金属の場合の変形などによって、歯との密着性の低下が要因になることがあります。また、保険適用の材料は自由診療のセラミックやゴールドより一般的に耐久性が低く、早期に劣化するリスクについて考慮したいところです。樹脂素材は破損しやすく、銀歯は接着剤が徐々に溶け出して剥がれやすくなるため、長期使用で脱離の可能性が高まります。これらの劣化の兆候を早期発見できるよう、定期的な歯科医院でのメンテナンスをお勧めします。
歯ぎしりと食いしばり
無意識の歯ぎしりや食いしばりは自身の体重に匹敵する、あるいは上回る咬合力がかかることがあります。睡眠時は覚醒時の平均2〜3 倍の力が加わるため、差し歯の破損や脱離の原因となることがあります。日中の緊張やストレス時に発生する食いしばりも同様に差し歯の寿命を縮める要因になります。
噛み合わせのバランスが悪い
噛み合わせが悪いと、力が均等に分散されず特定の歯に負担がかかるケースがあります。下の前歯が前方に突出している場合や、奥歯がない場合は前歯に強い力がかかり、差し歯が外れやすくなります。
歯周病の影響
歯周病が進行すると歯茎が退縮し、被せ物と歯の間に段差ができて歯垢(プラーク)が蓄積しやすくなります。これにより虫歯や歯周病がさらに進行し、差し歯の支えとなる骨や組織が弱まる可能性があります。特に差し歯の根と被せ物の境目は清掃が難しく、細菌の温床となりやすいため、丁寧な口腔ケアと定期的な歯科検診がおすすめです。
差し歯のトラブル時の応急処置
・取れた差し歯は清潔な容器に保管する
・露出・ぐらつく部分での咀嚼を避ける
・硬い食べ物や粘着性の高い食品を控える
・極端な温度の飲食物を避ける
・やわらかい歯ブラシで優しく清掃する
差し歯が取れた場合は、まず取れた差し歯を紛失しないよう清潔な容器やジップロック袋に保管しましょう。一方、ぐらつきを感じる場合は、それ以上の負担をかけないことが重要です。
いずれの場合も、問題のある部分での咀嚼は避け、反対側の歯を使いましょう。硬い食べ物や粘着性の高い食品、また極端に熱い・冷たい飲食物は刺激となるため控えることをおすすめします。清掃は柔らかい毛先の歯ブラシで優しく行い、強い刺激を与えないよう心がけるとよいでしょう。
これらの応急処置は、あくまで一時的な対応です。状態の悪化を防ぐため、できるだけ早く歯科医院を受診して専門的な処置を受けることが重要です。
差し歯が取れたときの治療の流れ
1. レントゲン撮影による状態確認
差し歯が外れた歯の根のレントゲン写真を撮影します。歯根の割れや虫歯の有無、膿の袋の形成など、歯の根の状態を詳細に確認します。この診察により、差し歯を元に戻せるか、新しく作り直す必要があるかの判断をします。
2. 虫歯の除去と清掃
虫歯が見つかった場合は丁寧に除去します。小さな虫歯であれば、差し歯を新しく作り直さなくても戻せることがあります。虫歯を取り除いた部分に生じる隙間は接着剤で十分に補填することで十分に対応できるケースもあります。さらに、歯の表面を清掃し、接着力を高める処置も行います。
3. 適合性のチェック
外れた差し歯を歯の根に当てて、適合性を確認します。ぐらつきや隙間の有無、噛み合わせの状態など細かく調べます。噛み合わせに問題がある場合は、差し歯を戻す前に調整を行い、長期間安定して使用できる環境を整えていきます。
4. 差し歯の再装着
専用の接着剤を使用して、差し歯を元の位置に固定します。
なお、歯根に破折が見つかったり、虫歯が広範囲に広がっていたり、差し歯自体に破損や変形があったりすると、再装着が困難なケースもあります。このような状況では新しい差し歯を作製する必要があり、型取りから装着まで約1~3週間かかります。状態によっては、より根本的な治療法の検討も必要となるでしょう。
差し歯が取れる・ぐらつきを防ぐ対策
差し歯が取れたり、ぐらついたりする原因には様々な理由がありますが、それぞれに適した対策があります。ここでは一時的な再接着だけでなく、長期的に安定する治療法のメリットとデメリットをご紹介します。治療法はお口の状態や生活習慣によって異なるため、歯科医師と最適な選択肢をご相談してみてください。
矯正と歯周外科による余白確保
歯の根元に十分なフェルールがない場合、差し歯をしっかり固定するための土台部分を矯正治療と歯周外科手術で確保します。フェルールとは被せ物を装着する際に、その被せ物の縁から歯の歯肉より上に残っている健康な歯質のことを指します。余白を確保することで、差し歯が安定して装着できる構造を作り出します。
天然歯を保存できるメリットがありますが、治療費用が高額になることや歯根が短くなることによる支持力低下、外科的処置の必要性、治療完了までに時間がかかるというデメリットも考慮する必要があります。
金属コアによる補強
歯の根に入れる土台を金属製にして差し歯の固定力を高めます。
治療期間が短く天然歯を残せる点が魅力ですが、歯根破折のリスクが上昇する可能性があります。破折した場合は抜歯になるケースがあるため、慎重に歯科医師と検討しましょう。
インプラント治療への移行
差し歯の歯を抜歯し、インプラント治療で人工歯根を埋入します。
一般的に周囲の歯に依存せず強固で安定した単独の歯が実現できますが、治療費が高額で手術が必要となり、治療完了までに数か月を要するという点を理解しておく必要があります。
渋谷マロン歯科tokyoでは、手術回数と治療期間を抑える「抜歯即時埋入法」をご提供しています。
これは歯を抜いたその日にインプラントを埋め込む方法で、当院では約95%の方にこの方法を適用しています。抜歯後すぐに対応することで、骨の吸収を最小限に抑え、インプラントを埋入する骨の量の確保ができるとともに、歯ぐきの退縮も防止できます。さらに、手術回数の削減により患者さんへの身体的負担も軽減されます。
他院で難しいとされたケースでも対応できる可能性がありますので、まずはお気軽にご相談ください。
下の歯の調整
下の歯の飛び出しが原因の場合、矯正で下の歯を後退させるか、突出部分を削って調整します。
差し歯自体ではなく原因となる噛み合わせを改善する根本的な解決法ですが、下の歯の調整が完了するまで差し歯の再製作ができず、特に矯正の場合は時間がかかる傾向があります。
奥歯のインプラント補強
奥歯の欠損により前歯への負担過多で差し歯が外れる場合、奥歯にインプラントを施し咬合力を分散させる治療が行われるケースがあります。
前歯だけでなく口腔全体のバランスを改善し総合的な咀嚼機能の回復が期待できますが、複数部位の治療となるため費用負担が大きく、外科的処置も必要となる可能性があります。
差し歯トラブルの予防と適切な対応で健康な口腔環境を維持
差し歯のぐらつきや脱離は、土台となる歯の問題や咬み合わせの不具合など様々な原因から生じます。トラブル発生時には自己判断での処置は避け、適切な応急処置と早期の歯科受診をおすすめします。
再発防止には、矯正と歯周外科による余白確保、金属コアによる補強、インプラント治療への移行、噛み合わせの調整など、複数の選択肢があります。それぞれにメリットとデメリットがありますので、お口の状態や生活習慣に合わせた最適な方法を歯科医師と相談して決定しましょう。
渋谷マロン歯科Tokyoでは、インプラント治療、虫歯、歯周病など各専門分野の歯科医師が連携し、お1人おひとりの状態に合わせて最適な治療計画をご提案しています。「差し歯がぐらつく」「差し歯が何度も取れてしまう」などのお悩みをお持ちの方も、安心してご相談ください。
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