お知らせ・ブログ・症例
Blog

2023.04.07

【症例】歯を抜いてから長期間放置後のインプラント治療

治療概要

治療内容 インプラント治療
期間 3ヶ月
治療回数 6回
費用 539,000円(税込)
インプラント埋入手術:275,000円(税込)
土台:55,000円(税込)
被せもの:176,000円(税込)
ガイド費用:33,000円(税込)

治療前の状態・主訴

渋谷マロン歯科Tokyo|症例|【【症例】長期間の欠損放置からのインプラント治療|治療前のレントゲン画像

患者様は、4年前に左右の奥歯を抜歯して入れ歯を作ったが使わないまま過ごしていたとのことでした。特に痛みはなく、歯医者にかかるのは3年ぶりとのことでした。

抜歯後の欠損部位の治し方は①ブリッジ②入れ歯③インプラント の3つがあります。それぞれの特徴を説明し、インプラント治療を行うこととなりました。

患者様はなるべく腫れないような術式を希望されたため、切開をしないで手術を行えるガイデッドサージェリーで行うことになりました。

ガイデッドサージェリーのメリットは5つあります。

①切開をしないので、体への侵襲を限りなく少なくできます。手術はなるべく体への侵襲を少なく出血のコントロールをすることが大切であり、切開しないことで術後感染も少なくすることができます。

②縫合する必要がないので、手術時間を短縮できます

③CTと歯型をコンピューター上でマッチングをさせてシミュレーションするため、術前のプランニングの再現性が限りなく高いです。

④決められた方向と深さにしかドリリング(骨に切削器具で穴をあけること)ができないようになっているため、安全な術式です。

⑤フリーハンドの(ガイドを使用しない)ドリリングと比べるとブレが少なくなるため、よりトルクが得られやすいです。

デメリットとしては、歯茎を切開しないためインプラント埋入後に骨とインプラントの位置関係、いわゆる埋入深度が分かりづらいことが挙げられます。

当院では抜歯したらすぐにインプラント治療を行うのがほとんどですが、欠損部分を長期間放置していた方は、咬む力や負荷がかかっていない状態が長く続くため、骨質が悪くなっている事があります。

また、抜歯後の穴の中をしっかり掻き出していない場合も治りが悪いことが多いです。

欠損部分を放置されていて、歯茎が完全に治っている患者様にはフラップレス手術(切開しないで手術をおこなうこと)をおすすめしています。

治療詳細

右下6番の歯は欠損したまま放置されていたため、右下7番がやや前方に傾いてきているのがわかります。左下6番も同様で、左下7番が前方に傾いてきています。

渋谷マロン歯科Tokyo|症例|【【症例】長期間の欠損放置からのインプラント治療|治療前の3D画像

CTから判断する限り左右の6番の歯は骨幅もあり下顎管(神経が通る管)まで距離は十分にあります。しかし、右下6番の骨質は軟らかいように見え、パントモ(パノラマレントゲン写真)でもそれを確認することができます。

手術に関してはなるべく切開をせず、侵襲を少なくするためにガイデッドサージェリーで行う事にしました。ガイド装置を作製するためにストローマンガイドソフトにCTと歯型を取り込みプランニングしました。

渋谷マロン歯科Tokyo|症例|【【症例】長期間の欠損放置からのインプラント治療|プランニングの画像

すると、予想通り骨密度はかなり低く、軟らかいので難しい手術になりそうだという見立てでした。

そのため、実際の手術では、プランニング通りドリリングを行うと良好なトルクが得られない可能性が高いため、アダプテーションテクニック(骨質に応じて最終ドリルの直径サイズを小さくする手法)を用いてトルクが抜けないように慎重にドリリングを行いました。結果として良好なトルクが得られ手術を終えることができました。

渋谷マロン歯科Tokyo|症例|【【症例】長期間の欠損放置からのインプラント治療|手術直後のレントゲン画像

3カ月後にはISQ値(インプラントの安定指数)を測定し良好な結果が得られたため補綴処置へ移行しました。

切開をしないで一回法で手術を行っているため、二次手術を行う必要がありません。そのため、型取りから進める事ができるのもフラップレス手術の特徴です。

渋谷マロン歯科Tokyo|症例|【【症例】長期間の欠損放置からのインプラント治療|3ヶ月後の画像1 渋谷マロン歯科Tokyo|症例|【【症例】長期間の欠損放置からのインプラント治療|3ヶ月後の画像2

歯が欠損している期間が長かったため、右下7番が前方に傾いてきているによる食べ物の詰まりなどが起きないように形態を考える必要があり、補綴処置も難易度が非常に高いものになりました。

渋谷マロン歯科Tokyo|症例|【【症例】長期間の欠損放置からのインプラント治療|補綴処置後の画像

治療後の様子

もともと生えている歯は、歯と骨の間に歯根膜というものが存在するため、咬んだら沈み込みが起きるのですが、インプラントは骨と結合しているためまったく動きません。そのため、インプラントの所だけ咬み合わせが強くならないように慎重に調整を行いました。

通常の咬合紙だけでなく、オクルーザルストリップスという薄い咬合フィルムを用いてより細かく一本一本の歯の状態を確認していき、調整しました。その結果、1週間後に確認した時には快適に使えていると言って頂く事ができました。

主な副作用・リスク

・手術後には腫れや痛みがおきる可能性があります。

・下顎管が損傷すると知覚麻痺が起きる可能性があります。

・術後に感染が判明した場合は、インプラントの撤去ならびに再手術が必要になります。その際の費用はかかりません。

・自由診療での治療となります。

・慣れるまでは咬むと違和感があることがあります。

・覆われている面積が広いので、咬み合わせを慣らす期間が必要な場合もあります。

インプラントでお悩みの方は当院までご相談ください

当院では外科治療においてはできる限り低侵襲でリスクの低い治療ができるよう努めています。今回のように長期間放置してしまっていた方でも、インプラントを専門的に行っている歯科医師であれば、知識や経験を活かし、充実した設備などを有することで、今回の症例のように適切な治療を行うことができます。

当院では、インプラント、補綴治療においても最高の治療を目指して日々診療に取り組んでいます。他院でインプラント治療を断られた方や抜歯後に長期間放置してしまっている方も、ぜひ一度ご相談だけでも結構ですので渋谷マロン歯科Tokyoまでいらして下さい。

スタッフ一同、心よりお待ちしております。

渋谷マロン歯科 院長 佐藤 年彦 
※院長の治療、相談を希望される場合はご予約の際に院長希望とお伝え下さい。

 

こちらもご参照ください。

インプラント治療|渋谷マロン歯科Tokyo

監修者情報

佐藤 年彦

院長

佐藤 年彦

2013年 神奈川歯科大学歯学部 卒業
2021年 渋谷マロン歯科Tokyo 開業

歯医者が苦手な方も、ハイレベルな歯科診療を受けたい方も、あらゆる方に満足いただける歯科診療をお届けします。お口のことでお困りのことがあればお気軽にご相談ください。